こんにちは!
スーパーゼネコン(大成建設、鹿島建設、大林組、清水建設、竹中工務店)といえば、大規模!高収入!というイメージが強く、内部にしっかりとした規模の設計部門もあるため人気のある企業ですよね!
ですが、業務内容や規模や待遇がほとんど同等であり、明確な違いがわかりにくいためにESや面接で苦労することかと思います。
5社のうちどれが第一志望なのか、よくわからないまま選考に臨んでしまうことも多いはずです。
そこで本記事では、基本データ、各特徴、社風、得意分野、代表建築の5つの面から徹底的に比較していきます。
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また、ゼネコン設計部の志望理由についてこちらにまとめています。参考にしてみてください↓↓
基本データの比較
大成建設 | 鹿島建設 | 清水建設 | 大林組 | 竹中工務店 | |
---|---|---|---|---|---|
売上高(2020年) | 1兆4801億円 | 1兆9071億円 | 1兆4564億円 | 1兆7688億円 | 1兆2377億円 |
初任給(学部) | 25万円 | 24.5万円 | 24.5万円 | 24.5万円 | 24.5万円 |
初任給(修士) | 27万円 | 26.5万円 | 26.5万円 | 26.5万円 | 26.5万円 |
平均年収(2020年) | 985万円 | 1,135万円 | 971万円 | 1,032万円 | 1,007万円 |
平均年齢 | 43.0歳 | 44.2歳 | 42.9歳 | 42.6歳 | 44.0歳 |
従業員数(単独) | 8,646人 | 8,038人 | 10,587人 | 8,985人 | 7,741人 |
従業員数(連結) | 14,770人 | 19,061人 | 16,719人 | 15,390人 | 13,171人 |
採用人数(2021年) | 296人 | 243人 | 317人 | 290人 | 186人 |
3年離職率 | 6.9% | 5.4% | 6.1% | 4.9% | 1.6% |
本社地 | 新宿 | 赤坂 | 京橋 | 品川 | 大阪 |
設立年 | 1917年 | 1930年 | 1937年 | 1936年 | 1899年 |
BCS賞作品数(~2021) | 154 | 210 | 194 | 181 | 233 |
うち、設計関与 | 34 | 57 | 36 | 25 | 117 |
引用特許数(2019) | 343 | 353 | 452 | 328 | 296 |
赤太字で示した箇所はある意味特徴的ですが、それ以外はほとんど大きな違いはありませんし、年度によっては変わったりもします。
最新の初任給についてはこちらを参考にしてみてください↓↓
*なお、平均年収は2019年まで軒並み1,000万円越えで絶好調でしたが、新型コロナの影響でしょうか、2020年は大成、清水の2社で1,000万円を切っているようです。
ここからは、もっと深い各社の特徴や違いを見ていきましょう。
大成建設
特徴
- 唯一の非同族経営であるため、社内の風通しが良い
- ↑社員が株主となる
- 唯一住宅事業を行っている(子会社)
- 他4社に比べて社内での施工部門の力が強い
- 数字だけ見ると5社の中でもいい意味で平均的
- 「地図に残る仕事。」のアニメ―ションCMで有名で知名度が高い
社風
非同族経営であるため、若い年次の社員でも自由に意見を言うことができ、風通しがよいです。声が大きく明るい人が多く、いきいきとした雰囲気です。
得意分野
市街地再開発事業が特に強く、他社を圧倒しています。全国の法定再開発案件の約20%に関与しており、この数字は5社中トップです(大成建設「サービス・ソリューション」)。ディベロッパー的な不動産業務を行っていることも特徴で、都市計画系の学生からの人気は高いです。もちろん、開発の売上は5社中トップです。
また、海外での大規模インフラ整備にも強いです。ボスポラス海峡横断鉄道トンネル(トルコ)は非常に難易度の高い海底トンネル工事であり、大成建設の技術力の高さを世界中に知らしめました。
代表建築
*青字は設計も関与
*()は竣工年
- 新国立競技場(2019)
- さいたまスーパーアリーナ(2000)
- 九州国立博物館(2004)
- 大阪城ホール(1983)
- 新宿センタービル(1979)
- 中銀カプセルタワービル(1972)
- 東京国際フォーラムホール棟(1996)
- The Okura Tokyo(2019)
- 代ゼミタワー(2008)
- ボスポラス海峡横断鉄道トンネル(トルコ)(2010)
鹿島建設
特徴
- 日本初の超高層ビルを実績にもつ高い技術力、「技術力の鹿島」と呼ばれる
- 平均年収は長年の間トップ(1,100万円を超えているのは鹿島建設のみ)
- 売り上げも長年の間トップを争っており、ゼネコンとしての代表的な企業
- グループ会社の数が234社と断トツであり、鹿島グループ(KAJIMA DESIGN)としての影響力が大きい
- 5社で初めて海外進出を果たした、今もなお海外事業は強い
- 受賞数や引用特許数がともに2位で、名実ともに優れた企業
社風
5社の中でもあらゆるランキングで常に上位にランクインしていたり、「日本初の〇〇」といった他社に先駆けた事業が多い鹿島建設は、プライドが高くエリート気質な人が多い印象です。
平均年収1,134万円が5社中断トツで世間的に見ても十分すぎるぐらいの高給であることからも、業界を代表しているという堂々としたプライドが伺えます。
得意分野
開発、土木、海外が圧倒的に強いです。そのため、「国内の建築事業」の売り上げは竹中工務店の90%に対して、鹿島建設は50%にも達しません。(建築事業が弱点というわけではなく、建築事業以外の割合が大きいというだけです)
まず開発事業については、ゼネコンディベロッパーとして1970年代から取り組んでいて歴史も深く、ゼネコンで開発をしたいならまず見るべきは鹿島建設といえますし、大成建設と同様に都市計画系の学生からの人気も高いです。ホームページでも「鹿島の開発事業」として専用のページが設けられています。
続いて土木については、先ほどの「超高層の鹿島」と同様に、「ダムの鹿島」、「トンネルの鹿島」とその都度言われてしまう程の技術力と実績を持っています。近年は、自動運転の重機を採用するなど、建設現場の省労働力、労働環境の改善にも特に力を入れています。
最後に海外について。5社中初めて海外に進出しており、現在でも不動産開発やM&Aに強みを持っています。
代表建築
*青字は設計も関与
*()は竣工年
- 霞が関ビルディング(1968)
- 国立新美術館(2007)
- 福島第一原子力発電所
- GINZA SIX
- 埼玉スタジアム2002(2002)
- 両国国技館(1984)
- 最高裁判所(1974)
- フジテレビ本社屋(1996)
- Hareza Tower(2020)
- 東京ミッドタウン日比谷(2018)
清水建設
特徴
- 「子供たちに誇れる仕事を」のテレビCMでもお馴染みで知名度は断トツ
- 特許数がトップであり、他社牽制力ランキングで1位
- 社員数及び採用人数が多く、1社単独として大規模
- 竹中工務店の次に歴史が長い
- 採算度外視の大型工事を避け、民間中小工事が多い
- 渋沢栄一が創業に関わっており、「論語と算盤」が社是
- 唯一、システムインテグレータの認証取得
社風
粘り強く、ものづくりにこだわるような社風です。
また、明るくい雰囲気で面倒見がよく、就職活動の際にはリクルーターの方が熱心に何度もレジュメの添削をしてくれたり相談にのってくれたりします。
得意分野
清水建設といえば宮大工が起源であるということからも、やはり伝統建築でしょう。数々の伝統建築の改修等に携わっており、社寺建築・伝統建築の専用webページも用意されています。かなり力を入れていますね。
また、上記のような繊細な伝統建築に携わるためにも、技術開発には力を入れており、引用特許数は5社中トップです。
中小建築や伝統建築の受注が多く、特許数も多いことから、とても堅実な企業であることがうかがえます。
一方で、「深海未来都市構想 OCEAN SPIRAL」という構想も発表しており、堅実さとは真逆の大胆な事業にも近年取り組んでいるようです。
代表建築
*青字は設計も関与
*()は竣工年
- 平安神宮(1895)
- 出雲大社 本殿ほか22棟建造物(保存修理)(2017)
- 日テレタワー(2003)
- モード学園コクーンタワー(2008)
- サンシャイン60(1978)
- 横浜スタジアム(1978)
- 警視庁本部庁舎(1980)
- 東京大学安田講堂(1925)
- 歌舞伎座タワー(2013)
- 長崎オランダ村ハウステンボス(1992)
- 箱根登山鉄道台風19号災害復旧(2021)
大林組
特徴
- 売り上げ、平均年収、離職率がいずれも2位で安定的に働きやすい企業
- 宇宙エレベーター構想など、大胆かつ先進的(スカイツリーも大林組の実績)
- 国公立大学出身者が圧倒的に多い
- 近年情報発信に力を入れている。俳優の佐藤健さんを起用するなど。
- 元々は大阪に本社があった(現在は品川)ため、関西で影響力や知名度が高い
社風
国公立大学出身者が多く、新卒採用も国公立大学が有利であるような学歴主義的です。体育会系とは真逆で一人一人を大事にするおおらかな雰囲気です。
得意分野
ざっくりですが、最新な建築、大胆かつ前人未到の建築に強いイメージです。大林組といえばやはり東京スカイツリーをJVではなく単独施工をしたという実績が印象強く、このことからも技術力の高さ、前人未到のチャレンジング精神の強さを伺えます。
また、近年では「2050年宇宙エレベーター構想」や「森林と共に生きる街LOOP50建設構想」を発表するとともに、それに伴った専門の技術的な部署も設け、業界に先駆けた先進的な提案もしています。
一方で海外への進出も早く、売り上げの20%は海外が占めています。将来的には25%を目指しています。
その他、国内外でのPFI事業や、新領域事業としての再生可能エネルギー事業に強みを持っています。
代表建築
*青字は設計も関与
*()は竣工年
- 東京スカイツリー(2012)
- 阪神甲子園球場(1924)
- 品川インターシティ(1998)
- イオンモール幕張新都心(2013)
- 梅田スカイビル(1993)
- 表参道ヒルズ(2006)
- 京都駅ビル(1997)
- 高輪ゲートウェイ駅(2020)
- 渋谷ストリーム(2018)
- JR新宿ミライナタワー(2016)
- 東京湾アクアライントンネル・海ほたる(1997)
竹中工務店
特徴
- 唯一の非上場企業(サントリー等と並ぶ非上場大企業として知られている)
- 唯一の大阪拠点企業(関東より関西での影響力、知名度が高い)
- 創業400年以上(歴史の深さが断トツ)
- 売り上げの90%以上が建築事業(他4社は50~70%前後)
- 新入社員は全員神戸の寮で生活する
- 離職率が最も低い
- BCS賞などの受賞数が圧倒的
- 手掛けた建築を「作品」と呼ぶ
社風
建築が大好きという熱い熱意を持った人が多いです。また、新入社員全員が1年目に寮で共同生活を行うため、同期の仲がとてもよいうえに、この寮生活を何十年も上の上司も経験しているため、同じ経験をしたという共通体験による縦のつながりも強いようです。
得意分野
竹中工務店といえばやはりまずは「デザイン性のある建築」で有名ですよね。ランドマークとなるような作品を昔から数多く手がけています。
受賞歴も多いことなどから施工はもちろん設計部門の能力も名実ともに確固たるものです。竹中工務店の設計部門は大手組織設計事務所と肩を並べるほどといってもよいです。
街を歩いていてアッと思うようなかっこいい建築は竹中工務店が設計しているなんてことはとてもよくあります。
また、竹中工務店は設計施工一貫に拘っており、その比率は70%にも達します。設計施工を一貫して手掛けることにより高品質の建築作品を生み出すことにつながり、結果として、案件の特命受注が多いのも竹中工務店の強みです。
近年は大規模木造に力を入れており、三井不動産と日本橋に国内最大・最高層の木造ビルを計画しています。(2023年着工、2025年竣工予定)
代表建築(作品)
*青字は設計も関与
*()は竣工年
- 5大ドーム[札幌、東京、名古屋、大阪、福岡]
- 日本武道館(1964)
- アクロス福岡(1995)
- あべのハルカス(2014)
- 東京タワー(1958)
- 金沢21世紀美術館(2004)
- 横浜市役所(2020)
- 東京虎ノ門グローバルスクエア(2020)
- MIYASHITA PARK(2020)
- パークハイアット京都(2019)
- 梅田スカイビル(1993)
- チャンギ国際空港(-)
最後に
スーパーゼネコン5社は売り上げや待遇、業務内容はほとんど同じでしたが、詳しく見てみるとそれぞれに得意分野がしっかりとあるようです。
自分のやりたいことと照らし合わせて5社の中でどれが第一志望なのか明確にして就職活動に臨むようにしましょう!
皆様の健闘を祈っております!
(組織設計事務所、準大手ゼネコンについてはこちらも参考にしてください↓↓)
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